「ブルカン塾」と「九州じゃんがら」

私たち「ブルカン塾」には「九州じゃんがら」というもうひとつの顔があります。
「ブルカン塾」を語るとき、この「九州じゃんがら」の存在を欠かすことはできません。

今を遡ること42年前、子供が大好きで、青春ドラマが大好きで始めたのが「ブルカン塾」です。
大好きで始めたので、子供と共に過ごす毎日はたいへん充実していました。そうした中、開塾して1年ほどたった頃、私たちはある出来事を経験したのです。
 
 
当時、いつも最前列に座って熱心に授業を受ける、中学2年生の女子生徒がいました。
その夏、私たちはファイト満々で初めての夏期合宿の企画を立てていました。屋外での授業やアスレチック、私たちならではの自信満々の合宿でした。
ところが、その生徒は合宿の申込用紙に「不参加」と書いて提出したのです。事情を聞くと「母親と共に田舎に行くから」との返事でした。とても残念でした。彼女のような生徒こそ、参加してほしかったからです。

2,3日して、その生徒のお母さんと進路指導のことで電話でお話しする機会がありました。
私たちが「お嬢さん、合宿に参加できないんですね。とても残念です」と伝えると、お母さんは急に涙声になって、「田舎に行く予定などありません。うちは母ひとり子ひとり。パートに行って収入の少ない家計のことを心配して、合宿のことは私には言わなかったんでしょう」とおっしゃったのです。

「きっと合宿に行きたいはずなのに…」私たちは込み上げる気持ちから、申し出ました。
「お母さん、本人が合宿に参加したいようなら参加させて下さい。参加費用はいつでも結構です。」
彼女は笑顔で合宿に参加してくれました。
 
 
その後、当時の日本の経済状況を反映し、経済的に恵まれない子供たちが他にも目立ち始めました。
しかし、子供たちを相手に、割り切って収入を得られないタイプの私たちは、授業料を払えないという理由だけで通塾を断ることはできませんでした。
それからしばらくの間、私たちは朝から晩まで子供たちと過ごしました。気がつけば私たちは、収入源もおぼつかない状況に直面していたのです。
それでもやはり、子供たちを目の前にして、「ブルカン塾」を途中でやめる気にはなれませんでした。 むしろ私たちは決心したのです。

自分のわがまま、勝手で不幸を背負い込んだわけではないのに、苦労して懸命に生きている人たちが大勢いる。「ブルカン塾」はこれからそんな親子の一番の味方になる。
この先、たいへんな苦労はあるだろう。でも自分たちの生活基盤をきちんと整えながら、「ブルカン塾」の仕事を思う存分やっていこう。「俺たちの旅」の方向性がはっきりと決まりました。

私たちは、「ブルカン塾」をきちんと運営しながら、自分たちの力でスタートできる仕事を真剣に考えました。
「自分たちに何ができるのか?」
「どんな仕事が適しているのか?」
時間を忘れて考え続けました。

そうして、ついに「ラーメン」にたどり着いたのです。
 
 
僕たちは今、まさに旅の途中だ。俺たちの旅は果てしなく続く。
俺たちを信じてブルカン塾に通ってきてくれている子供たちのためにも、俺たちが夢を持ってコツコツとまじめに歩むことが大切だ。
一杯一杯のラーメンを元気に真心こめてお客様にお届けしよう。
当分は昼はラーメン。夜は塾。
気持ちが熱い元気な俺たちだからこそできること。
子供たちにも「これが生きるということなんだ」といつか教えられる日が来る。

これが「九州じゃんがら」の誕生の瞬間、新たな「俺たちの旅」の始まりです。
それはブルカン塾をはじめて5年後の事でした。
こうして私たちは、「ブルカン塾」を「理念・心の場」という位置づけに、もうひとつの柱として「九州じゃんがら」を「実践の場」という位置づけとして、新たな歩みを始めました。
 
 
当時の「九州じゃんがら」スタッフたちがお客様へ向けた 「ありがとうございます」の言葉には2つの意味が含まれていました。
ひとつ目はもちろん、「お召し上がりいただきまして、ありがとうございます。これで私たちは生活していけます」という意味でした。
そして二つ目は、「お客様からいただいたお金で、子供たちのために何かできています。感謝いたします」という意味でした。

お陰様で現在では、「ブルカン塾」、「九州じゃんがら」ともに、スタッフ面でも経営的にもきちんと独立して成り立っております。そして今、「九州じゃんがら」には十数年前「ブルカン塾」で講師をしていたという店長やチーフがおります。また、「ブルカン塾」の卒業生というスタッフも元気で働いています。
 
  
創業以来、「ブルカン塾」と「九州じゃんがら」を結ぶ共通の思いがあります。
つまり、「頑張る気持ち」を決して忘れず、夢に向かって明るく元気に歩む。そして、人は決して一人では生きてはいけない。だからこそ、「思いやる心・感謝する心」を絶えず心に抱いて生きていくという思いです。「ブルカン精神」が私たちひとりひとり全員の心に熱く宿っていることは、昔から今、そして未来へと、決して変わるものではありません。
私たちはこれからもずっと「ブルカン塾」では教育を通じて子供たちに、そして「九州じゃんがら」 では一杯のラーメンを通じてお客様に、私たちの思いを真心こめてお届けできるよう、「俺たちの旅」を精一杯続けていきます。形こそ違いますが、「ブルカン塾」と「九州じゃんがら」の思いは1つ。まさに心は1つなのです。

「ブルカン塾」と「九州じゃんがら」、この両輪がそろっているからこそ、私たちは一日一日がとても充実しています。「生きていく」ということを実感しています。
「ブルカン塾の先生たちは、ただの塾の先生ではないんだよ(笑)」という子供たちへの言葉、これは実は経験に基づいた私たちの本音なのです。
実際に、「ブルカン塾」では学習指導に全力を注ぐとともに、この経験を生かし、子供たちへ「生きる」ということを伝えています。「九州じゃんがら」を思いついた発想、それに向かう研究、努力、気合い、乱れぬチームワーク、味や店作りのこだわり、夢に向かってあきらめない精神等々。こんな話を通じ、勉強に励む子供たちに「あきらめないで夢に向かって出発しよう」と声をかけています。これこそ、実録ブルカン式生きる教育!と自負しているところです。
 
 
今後とも「ブルカン塾」「九州じゃんがら」スタッフ一同、真面目に努力して歩んでまいります。
どうぞ皆さま、宜しくお願い申し上げます。